どうも。アザラシです。本記事執筆時の現在、Checkrideがcabin smokeにより実技試験は延期になってしまい、項垂れております。折角いい天気だったのに。。。チェックライダー(DPE)も忙しいようで、次回は来年に持ち越しになりました。
もうね。辛いです。日本にもコロナの関係で帰れず、なんか色々辛くなってきました。DPEからも、試験中「英語はRequirementの一部だからね」と度々言われ、自分の英語力も自信がなくなっています。元々ないですが!そんなに悪くはないはずなのに。。
と、心が久しぶりに挫けそうです。折れにくいと言われる🌴自分の心が、根本から引っこ抜かれた気分です。
まぁ愚痴はこの程度にして、今回はDAY38に経験したIcingについて記載したいと思います。
DAY38
Icingについて
ミシガンやカナダで訓練される方は、冬季に結構悩まされる現象だと思います。
一般的にIcing Conditionで雲内を飛行すると、機体への着氷がよく観測されます。空気中の水分含有量が多い高度をフライトしていても同様。
Icing への対策として一般的なのは・・・
Deicing system
・電熱線やブーツを使用して着氷を剥がす装置
Anti-icing system
・ケミカル剤を事前に散布する方法
などです。
大体のフライトスクールで使用されている機体にはDeicingが装備された単発機は高価なのでほぼ無く、またAnti-icingできるスクールもないでしょう。
基本的にIcing での飛行は許可されないとPOH(Pilots Operating Handbook)に記載されています。
今回の概要
IFR RequirementにあるXC PIC Timeのため、Lansingまでフライトを行いました。
雲は「OVC 2000‘〜5000‘」。Flight Planは6000‘に設定しTakeoff!今回の雲の色は灰色と白が混じった状態で、計器に集中していても、周辺視野で流れて見える雲が自機の姿勢を混乱させます。空間失調症という状態ですね。少しでも気を抜くと機体が傾いていると勘違いしてしまいます。
雲上へ近づくにつれ周りが明るくなり、雲の外に出た時には素敵な景色。
目的地に近づき降下。Procedure Turnの練習もしたかったためATCへRequestしたが、雲の中で機体への着氷に気づきDirectで空港へ。
因みに先ず機体の小さな突起物(Fuel Capや温度計など)から着氷が始まります。
この画像では結構溶けてしまっていますが、実際には毬栗のようにケバケバしていました。
フライト中の画像では判別しづらいかもしれませんが、主翼&尾翼にもIcingしていました。
初Icing。正直生きた心地はしなかったですね。。。
着陸時には、下記手段でApproachしました。
Approach方法
- ILS ApproachのInitial Approach FixへRadar Vectorにて進入
- Final Approach Fixへ通常より早い速度にて飛行(Non Flaps)
- FAF通過後、Non FlapのままLOC Minimumまで下降し、Nomal Speedで飛行
- Glide Slope上に到達してから下降開始。
- Non Flapでの着陸(今回はLow Appproach)
今回機体のIcingが発生していたため、「雲外」「安全高度」「気温が高い低高度への早めの下降&速度を上げIcingからのリカバリー」を目的とした手順となります。
Icing Stallについて
着氷によるストールは2種類あります。
- 主翼のStall
- 尾翼のStall(Tail Plane Stall)
主翼のStall
Leading Edge(主翼の前縁)に着氷が広がり、翼上の空気の流れが乱れ、通常の失速速度が上がることで発生します。
これは一般的な失速と同じリカバリーになります。
リカバリー
- Full Power
- Rudder
- Straight and level flight
尾翼のStall(Tail Plane Stall)
尾翼がStallする現象です。
機体は下記図のようにバランスが釣り合った状態で飛行します。
着陸時にはFlapを使用し少々機首を上げた状態で飛行します。先ず機体のCenter of lift(浮力の中点)が後ろに移動します。
Tail Plane(尾翼)のAngle of Attack(迎角)が上がり、そこに尾翼が着氷にしている場合 尾翼の下側の空気の流れが乱れ、Down Forceが足りず尾翼がStallします。詳細は下記より笑
https://www.boldmethod.com/blog/learn-to-fly/maneuvers/recovering-from-a-tailplane-stall/
リカバリー
- フロントが下がってしまうため、機首を上げる
- 速度を下げる
- Flapsを戻し、尾翼のAOAを下げる
以上。上記のように、リカバリー方法が全て異なります。
最後に
初Icing はあまり経験する事がないので、いいケーススタディでした。冬はIcing Conditionで飛べることが少なくなってきますが、上空は空気が澄んでいて気持ちよかったです。
今度はDeicing Systemのついている機体で飛びたい。。。
雲がきめの濃やかな石鹸の泡みたい。
チェックライドの諸情報については別途記載する予定です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。