FLIGHT TRAINING IFR

【IFR-2】DAY35−40(Icingのリスクについて)

どうも。アザラシです。本記事執筆時の現在、Checkrideがcabin smokeにより実技試験は延期になってしまい、項垂れております。折角いい天気だったのに。。。チェックライダー(DPE)も忙しいようで、次回は来年に持ち越しになりました。

もうね。辛いです。日本にもコロナの関係で帰れず、なんか色々辛くなってきました。DPEからも、試験中「英語はRequirementの一部だからね」と度々言われ、自分の英語力も自信がなくなっています。元々ないですが!そんなに悪くはないはずなのに。。

と、心が久しぶりに挫けそうです。折れにくいと言われる🌴自分の心が、根本から引っこ抜かれた気分です。

まぁ愚痴はこの程度にして、今回はDAY38に経験したIcingについて記載したいと思います。

 

DAY38

Icingについて

ミシガンやカナダで訓練される方は、冬季に結構悩まされる現象だと思います。

一般的にIcing Conditionで雲内を飛行すると、機体への着氷がよく観測されます。空気中の水分含有量が多い高度をフライトしていても同様。

Icing への対策として一般的なのは・・・

Deicing system

・電熱線やブーツを使用して着氷を剥がす装置

Anti-icing system

・ケミカル剤を事前に散布する方法

などです。

大体のフライトスクールで使用されている機体にはDeicingが装備された単発機は高価なのでほぼ無く、またAnti-icingできるスクールもないでしょう。

基本的にIcing での飛行は許可されないとPOH(Pilots Operating Handbook)に記載されています。

 

今回の概要

IFR RequirementにあるXC PIC Timeのため、Lansingまでフライトを行いました。

雲は「OVC 2000‘〜5000‘」。Flight Planは6000‘に設定しTakeoff!今回の雲の色は灰色と白が混じった状態で、計器に集中していても、周辺視野で流れて見える雲が自機の姿勢を混乱させます。空間失調症という状態ですね。少しでも気を抜くと機体が傾いていると勘違いしてしまいます。

雲上へ近づくにつれ周りが明るくなり、雲の外に出た時には素敵な景色。

目的地に近づき降下。Procedure Turnの練習もしたかったためATCへRequestしたが、雲の中で機体への着氷に気づきDirectで空港へ。

因みに先ず機体の小さな突起物(Fuel Capや温度計など)から着氷が始まります。

この画像では結構溶けてしまっていますが、実際には毬栗のようにケバケバしていました。

フライト中の画像では判別しづらいかもしれませんが、主翼&尾翼にもIcingしていました。

初Icing。正直生きた心地はしなかったですね。。。

着陸時には、下記手段でApproachしました。

Approach方法

  1. ILS ApproachのInitial Approach FixへRadar Vectorにて進入
  2. Final Approach Fixへ通常より早い速度にて飛行(Non Flaps)
  3. FAF通過後、Non FlapのままLOC Minimumまで下降し、Nomal Speedで飛行
  4. Glide Slope上に到達してから下降開始。
  5. Non Flapでの着陸(今回はLow Appproach)

今回機体のIcingが発生していたため、「雲外」「安全高度」「気温が高い低高度への早めの下降&速度を上げIcingからのリカバリー」を目的とした手順となります。

Icing Stallについて

着氷によるストールは2種類あります。

  • 主翼のStall
  • 尾翼のStall(Tail Plane Stall)

主翼のStall

Leading Edge(主翼の前縁)に着氷が広がり、翼上の空気の流れが乱れ、通常の失速速度が上がることで発生します。

これは一般的な失速と同じリカバリーになります。

リカバリー

  1. Full Power
  2. Rudder
  3. Straight and level flight

尾翼のStall(Tail Plane Stall)

尾翼がStallする現象です。

機体は下記図のようにバランスが釣り合った状態で飛行します。

着陸時にはFlapを使用し少々機首を上げた状態で飛行します。先ず機体のCenter of lift(浮力の中点)が後ろに移動します。

Tail Plane(尾翼)のAngle of Attack(迎角)が上がり、そこに尾翼が着氷にしている場合 尾翼の下側の空気の流れが乱れ、Down Forceが足りず尾翼がStallします。詳細は下記より笑

https://www.boldmethod.com/blog/learn-to-fly/maneuvers/recovering-from-a-tailplane-stall/

リカバリー

  1. フロントが下がってしまうため、機首を上げる
  2. 速度を下げる
  3. Flapsを戻し、尾翼のAOAを下げる

以上。上記のように、リカバリー方法が全て異なります。

 

最後に

初Icing はあまり経験する事がないので、いいケーススタディでした。冬はIcing Conditionで飛べることが少なくなってきますが、上空は空気が澄んでいて気持ちよかったです。

今度はDeicing Systemのついている機体で飛びたい。。。

雲がきめの濃やかな石鹸の泡みたい。

チェックライドの諸情報については別途記載する予定です。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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