どうも。あざらしです。色々なサイトやYOUTUBEでもよく「トレーニングにはいくらかかるのですか?」との質問をよく見受けますので、今回はフライトトレーニングに掛かる費用について記載します。
実際のトレーニングに関する内容は下記をご覧ください。
ご参考になれば。
前提条件
- PART 61 フライトスクール
- 生活面で必要な「自動車購入費、維持費、食費、ホテルOR宿泊施設」の費用は含めません。
- 単価並びに必要時間は概算で試算しています。
- 平均所要時間はアメリカ人をベースとしています。
Private Pilot License PART61
規定時間 | 平均所要時間 | コスト (概算)/h | トータル | |
Logged Flight Time in C152 | 40 | 65 | 92 | US$5,980.00 |
Logged Flight Time in C172 | 40 | 65 | 125 | US$8,125.00 |
Flight Instruction | 20 | 55 | 50 | US$2,750.00 |
Ground Instruction | 20 | 50 | US$1,000.00 | |
Checkride - Rental C152 | 1.5 | 92 | US$138.00 | |
Checkride - Rental C172 | 1.5 | 125 | US$187.50 | |
Checkride - Examiner Fee | US$500.00 | |||
Training 必要機器 合算 | US$400.00 | |||
Knowledge Test | US$165.00 | |||
AFSP関連費用 概算 | US$260.00 | |||
MEDICAL関連 概算 | US$300.00 | |||
C152 の場合 | 65 | US$11,493.00 | ||
C172 の場合 | 65 | US$13,687.50 | ||
為替変換 | レート:ドル/円 | ¥110.00 | ||
C152 の場合 | 20 | ¥1,264,230 | ||
C172 の場合 | 1.5 | ¥1,505,625 |
IFR~CFI取得~ATPLまでの費用は取り急ぎ概算にて下記記載します。場所やスクールによって費用が異なりますのでご留意ください。なお、PPL訓練に必要な時間も65時間前提で記載しておりますが、実際は80~100時間かかる場合も多数なので、PPLの訓練費用だけで200万円程度と考えていた方がいいかと。※生活費除く
因みに私はPPLに約200万円かかりました。。
他資格 概算一覧
IFR PART61 | US$13,000.00(実際にはUSD$22,000程 かかりました) |
CPL | US$19,000.00 |
MER | US$6,000.00 |
CFI | US$6,000.00 |
トータル | US$57,687.50 |
日本円換算(110円/USD) | ¥6,345,625 |
あくまで上記試算は「かなり上手くいった場合」&「一部米国地域」としてお考え下さい。できれば1.5倍~2倍程度かかると思っておいた方がいいかと。
また、CFI取得しフライトインストラクターとしてフライト時間を稼いだ場合の給与を足した場合は下記の通りです。
CFIインストラクター 試算前提条件
- Flight Log time 250時間保有として、ATPLの1,500時間まで
- 時給USD25 として。
- 追加所要期間 2~3年
フライトインストラクターにて稼ぐ費用(諸税抜き) | US$31,250.00 |
上記より、単純計算「フライトトレーニング費用 - 給与」= USD 26,437.50ー
凡そ300万円程度でATPLまで取得できる計算です。PPLからATPL取得までに5年程度必要らしいですが、ATPLまで取得できれば採用条件にもよって就職先は広がります。
- ICAO加盟国にて就職。
- アメリカ国内のコミューター会社OR貨物へ就職
※採用条件にはジェット機のフライト時間も併記されていることが多いので注意
※日本での採用条件はICAOの中でも厳しく感じます。
アメリカ国内でジェットエンジンのフライト時間を積めば、日本の航空会社へ就職も比較的容易にできるかもしれません。まぁ給与はアメリカや中国の方がいいでしょうけども。(エアライン機長の年収では2500万円以上も可能かと)
留意点
ただし! 上記ATPL取得までの試算には留意点があります。
※米国滞在ビザはどうするのか。
※米国航空会社の採用については永住権もしくはグリーンカード(5年滞在)を保有しているのが前提。
パイロットを目指す方の一番の問題は、「ビザ」と米国でパイロットになるのであれば「永住権」であると個人的には思います。これを解決できれば、トレーニングを始めるのが40歳でも米国でパイロットになったケースを知っています。
日本のパイロットになるために(就職)
皆さんがどのような環境にいるのかはわからないので一概に言えませんが、日本でパイロットになりたい!と考えた場合、若ければ「自社養成」や「航空学校」を最優先として。「残念ながら自社養成がダメだった。。」や「応募基準以上の年齢になってしまっていた」のであれば海外でライセンス取得が通常の流れでしょう。
「残念ながら自社養成がダメだった。。」や「応募基準以上の年齢になってしまっていた」方で、どうしても日本でパイロットになりたい方は方法としては2点。
1、FAAライセンス取得(CPLまで) → JCAB書換
海外でライセンス取得(PPL~CPL)してから日本のライセンスに書き換え(ほぼ新規取得)として、計器飛行、事業用(CPL)を取得する場合500万円以上かかるようです。
なので、米国総額700万円+米国での滞在費300万円程度として+書き換え600万円=1,600万円程度。うまくいった場合に限るので、取得までの期間や生活費によって変動します。また、取得に必要な期間は4~5年?程度かと思います。
日本の航空業界は募集期間も人数も少なく、条件も厳しめなのでご留意ください。あと折角FAAのCPLまで取得しても、総フライト時間が少ないため諸外国での就職は採用条件上難しいかもしれません。大体 ATPL保持もしくはFrozen ATPL、1,500時間のログタイムを要求されます。
※時折日本の航空会社からライセンスホールダーの募集もあるようなので、運がよければJCABの書き換え費用は会社持ちになることもあるかもしれません。
2、FAAライセンス取得(ATPLまで) → 海外で働く
米国にてライセンス取得してフライト時間を稼ぎATPLまで取得。ここまで約5~6年かかるので、グリーンカード申請し米国航空会社にてパイロットに従事。数年後FAAライセンスを生かして日本にて外国人枠にて応募し、国際線パイロットとして従事する。
以前ですが、日系航空会社の外国人枠の採用欄に「入社後JCABライセンス取得費用まで負担します」という募集要項も以前見た事があります。
米国にてグリーンカードが取得できなかった場合、ATPLを保有しているのでカナダやベトナム、その他諸外国にてパイロットとして就労。
※各国の就労条件はご確認ください。
※米国航空会社の大半はグリーンカード取得に対するサポートはしていないようなのでご留意ください。
※フライトインストラクターでの給与も加味されるので、総計300万円程度の自己負担額(生活費抜き)。但し期間は5年~6程度かかり、且つ貯金が約1,000万円程度ないとCFIまで取得してから給与を貰えるまで生活が維持できないかもしれません。
参考)
日本のパイロット養成学校である株式会社FSO(沖縄) など、日本と米国間で運営している業者でお世話になり、ATPLまで取得という方法もあるようです。こちらの会社はビザ発行まで出来るPART141フライトスクールや大学と提携して具体的な道筋を提案しています。(K様情報)参考にFSOの訓練ページのURLを下記貼付します。
https://www.fso.co.jp/lp-ja/lp01/
あ、紹介料とか宣伝とかそんなものではありませんので、邪推せず自ら良し悪しをご判断ください。
以上
上記より、双方とも高額費用と長い時間がかかるため、日本のキャリアを捨てる程のリスクを鑑みると「2」が、パイロットまでの道筋も明確であり確率的にも高いと思います。
他の方法をご存じでしたら、コメント欄へお願いいたします。
参考時系列<適宜更新>
<PPL>
日本にて
- 航空無線通信士資格(約4か月程度)
※渡米前に取得しておくことをお勧めします。 - PPL 日本語にて勉強(約3か月 ほぼ毎日 2時間程度/日)※就労期間
- PPL 英語にて見直し(約2か月 ほぼ毎日 2時間程度/日)※就労期間
米国にて
- PPL 復習(3か月 ほぼ毎日)
- 英語勉強(日記6か月分 15分/日 ほぼ毎日。)
- 英語勉強(基礎から ほぼ毎日 約3か月)
- ICAO航空英語(約3か月 平日)
- PPL WRITTEN TEST (約1か月 毎日)
もともと英語には苦手意識があり、そもそも頭も人並みなので覚えるのにも一苦労でした。
ただ、機械工学科卒業し車好きだったのが幸いして、機体や事象に関する知識だけはスッと入ってきました。そういえば周りのパイロットを目指す方は車好きが多い印象です。
<IFR>
Written テスト合格まで、フライトトレーニングを週2回。(3か月)
Written テスト合格後、フライトトレーニングは週3回(2か月)
正直頑張ればもっと早くできるかと思います。
ちなみにチェックライドを機体トラブルと天候の影響で2か月間延期されました。よって、IFR取得までトータルとしては7か月程度。
CPL
適宜更新
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2020年現在、世界中パンデミックで混乱しており経済状況も少々悪くなっております。ただ、過去の例を鑑みると経済状況が悪いのは通常1~2年、そこから徐々に回復します。今はパイロットの採用が難しくなっているとはいえ、飛行機がなくなる事はないでしょう。またフライト全てをAIに任せる事も難しいと思います。
大型機から中型機に需要がシフトしている昨今、パイロット不足は今後より深刻になる可能性も高いです。
今から訓練始めれば、応募まで約5年。ちょうど経済が回復基調の時に航空会社へ応募できるかもしれません。ぜひ一緒にパイロットへの道挑戦しませんか?
因みに2020年7月現在、米国ビザの発給が止まっているようです。特定のビザの発給だけSTOPとの発表でしたが、米国大使館での面接がなかなか実施されず、駐在員ビザ含む事実上すべてのビザが発給停止しているようです。
なので、PART141で発給されるM-1(学生)ビザも同じような状況かと思います。
でもこの機会を逃さず、”今から”WRITTEN TESTや英語の勉強、スクール資料等の取り寄せなどに取り組むことをお勧めします。訓練が始まってから勉強を始めるのでは実体験からみても大変ですし、そもそもいきなりフライトが始まるので安全面に不安が残ります。
これからパイロットになろうか悩み中であれば、とりあえず米国政府主催の「永住権(Green card)が獲得できる抽選」にだけでも応募してみませんか?日本在住でも可能です。通ってしまったらその時留学するか否か考えましょう(笑)
何も動かなければ、何も達成できません。
パイロットになるという大きな目標に対し、先ずは目の前の小さなステップを一つ一つ熟していけば、自ずと大きな目標も達成できることでしょう。
過去の経験からも、そう信じてます。
勉強に使用している教材については別記事にて記載しております。
最後に
このブログを立ち上げたきっかけは2つあります。
「自分の取得情報の共有化」と「自身を客観視するため」です。
でも実は最近もう一点気づいたことがあります。それは…「さみしいから!」
自動車教習所を思い出してみてください。合宿免許でない限り、苦楽を共にする仲間がいません。フライトスクールには同期もいません。唯一救いなのは日本人が同じフライトスクールにおり、時折食事できる幸せでしょうか。
スクールにもよりますが、多分トレーニングを始めると下記のように感じるでしょう。
- 英語での勉強になり、始めは頭に情報が残りにくい。(私だけ?)
- 自分の考えを上手く伝えられない
- 英語の勉強を先に進めてからATCの練習をするか、実地で慣れるか迷う。(一回のフライト費用が高いので)
- 進捗が他人と比べられず心配
- インストラクターによって教え方が異なる
- 覚える事がPPLの段階で教習所の3倍以上ある
- 昔の教習所のように、怒られる(本当に心配してくれているのは伝わるので、操作が上手くいかないと悔しくて悔しくて泣きそうになります)
- 健康維持のため、ストレスを食べ物で解消できない
- 2万円以上が1回のフライトで消えていくストレス
- ミスしたら最悪死ぬ可能性がある
米国人のPrivate Pilot License脱落者が70~80%と言われているのも、これらのストレスに耐えかねる からですかね。航空留学の日本人は目的意識と準備、ストレス耐性があるので脱落者は少ないはず。
私も例に漏れず 数多くのストレスで禿げそうです。既に一部禿げました。
でも全て自分で切り開くしかないのです。少しでもこのブログが、パイロットを目指す方の禿げみと自分の成長記録(寂しさの緩和)になればと思い執筆しています。
いいんだ。未だに一番アクセスが多いのが「デトロイトの治安」の記事でも。