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【その他】フライトの合間に-2(苦手分野克服)

久しぶりの更新になりました。どうも。ハゲが気になって6mmの坊主にしたアザラシです。アメリカの発毛剤は安いので、評価が高いものを試しに1ヶ月使用したところ無事徐々に生えてきました。

こちらMichiganは既に大雪が降り、空もIFRコンディションばかりです。

なんとか病気は治ったのですが、その後上記の通りIFRもしくはSpecial VFR程度のコンディションであり、かれこれ1ヶ月弱もフライトできていない状況です。

なので近況と勉強内容を備忘録のため記載します。

苦手分野

以前幾度か記載しましたが、私の現時点での苦手分野は「ATC Dialogue(英語)」と「Landing」です。

アメリカでの航空留学で日本人が取得すべき項目は大きく分けて2つと考えています。

一つは「操縦」。もう一つは「英語」。特に大変なのは英語であると実感しています。

操縦は早い人であれば40時間程度から免許は取得できます。しかし英語は40時間では習得できません。一番時間がかかることは明白です。

もちろん英語といっても「ATC Dialogue(ATIS聞き取り含む)」と「日常会話」の2種類あります。以前記載した内容と重複する点もありますがご容赦ください。

今回は英語についてを記載します。

 

ATC Dialogue

世界各国のパイロットが使用するため、正確な情報を短時間で効率的に伝えられるように構文も大体同じです。

「誰に対し」… ◯◯Tower

「自分は」… N◯◯◯◯(識別番号)

「どこにいる」… Hold short runway 6

「何がしたいのか」… Ready to takeoff "West(行きたい方角)"

 

管制塔からも同じような構文で返答があるので、理解もしやすいかと思います。もちろん聞き取れれば。

聞き取り練習には順に3つの方法が有効かと思います。

No1◎フォネティックコードと受け答えの航空用語の記憶(空無線通信士資格を取得する)

No2◎空港のCLASSとTraffic patternを事前に理解する

No3◎LiveATCにてATISや実際の送話受話を聴きながら、メモをとり、自分で復唱する。(録音もできれば一番よい)

※(フライトトレーニング開始後)録音した実際の音声を反復練習
※いきなりNo3から練習してしまうと非効率的

上記は日本で私がやっていた練習ですが、実際にはNo2が浅い理解しかしておらず、あまり効率的ではありませんでした。フライトトレーニングが開始してから知識が深まっていった気がします。

また、No3について注意点があります。それは話す早さです。
【アメリカローカル空港>国際線就航アメリカ大型空港>日本や非英語圏の空港】パイロットは外国人が多いので、国際線就航空港や非英語圏の空港で使用されているATCは喋るのが少しゆっくりという事。

なので練習には早さの順を追ってATCの聞き取りを練習すべきと考えました。勿論発着率が異なるので、できればFlightradar24などのアプリで状況を確認しながら録音するのをオススメします。

因みに実際にローカル空港言われた内容を一部紹介してみます。

<状況紹介>Hold short RWY 6にてTakeoff、West方向へフライトリクエストした返答。

「N◯◯◯◯, Runway heading Cessna turn for shortly traffic 2 or 3 north inbound left downwind, runway 6 clear for takeoff」
※録音時間4~5秒

試しに抑揚を無くした発音で4秒以内に読んでみてください。自分の発言した内容でも理解できるでしょうか?文字に興すと簡単ですが。。

通常の返答では「Runway 6 Clear for takeoff Left(Right) turn」か「Hold short Runway 6」なので、いきなり長文を言われたので面食らいました。この時にはClear for takeoffは聞き取れ、なんとなく他の機体が来るのかな(?)とまでは分かりました。

ただ、問題はこの後のRead Backです。実際には内容を理解した上で必要情報を言えばいいのですが、適当な事を言って危険を誘発させてしまうのは避けなければなりません。

因みにこの時インストラクターからアドバイス頂き、返答は「RWY 6 Clear for takeoff straight out」でした。要は管制官曰く、他機が北からLeft downwindに来ているので、まず真っ直ぐ飛んでねという内容でした。

<状況紹介終わり>

 

日常会話

仕事で使用している英語は同じような内容なので、他国特に非英語圏で仕事する上では問題にならないでしょう。同じようなフレーズも限られていますし。

ただ実際に米国で生活していると、米国人でも2種類います。一つは非英語圏の日本人に対し、分かりやすい基本的な英語で喋ってくれる人と、もう一つは俗語を多用しながら話す人。

専ら後者です。「まだ渡米して数ヶ月なので、英語がまだ苦手です。少しゆっくり話してもらえますか?」と伝えても「OK!」と言ってほぼ変わらない。笑

多分上記セリフを沢山言い過ぎて随分流暢に依頼していたので、大丈夫と思われたのかもしれません。笑 TOEICのリスニングとは比較にならないほど早いです。

何にせよ早口でスラング込みの会話ですと、意味が直ぐには理解できず、時々自分の不甲斐なさに情けなくなりました。

またフライトトレーニング中にもスラングを聞いたりします。ジョークを言う時が多い気がしますが、愛想笑いの毎日に辛く感じるのも事実です。できれば米国留学の前に英語をもっと練習すべきだったと猛省しています。

ここでは、同じような経験をされる前に、一番効果の出ると言われている2つの練習を紹介します。

 

1、漫画やドラマでヒヤリングを鍛える(Imput and Output)

自分の興味ある漫画やドラマの英語吹き替えを見つけ、英語字幕付きで繰り返し見る。もしくは昔から大好きだった、何度も見た事があり内容が既に頭に入っている映画を英語字幕で繰り返し見る。

ここでポイントは流し見ではなく、ワンフレーズずつ再生ストップし巻き戻しを繰り返して意味と発音を英語で理解し、自分で口に出す(Output)です。聞く(Imput)だけでは、私達ではネイティブと同じように使えません。私が保証します。無理ですた。

スポーツをされていた方もわかると思いますが、自分で繰り返し試してみないと上手にできません。

私は現在下記でトレーニングをしています。
・Amazon Prime SUIT SEASON1 (スラング沢山。話すの早過ぎ)

約4、5日(約4時間/日)で日常会話に自信がつきました。ただ一話を3回見るのに「知らない単語を調べる」「文章を理解する」「意味が繋がらないものは全体をスラングと考え調べる」「解らない構文を文字に興し、繰り返し発音する」をしていたら、これだけ時間がかかりました笑。

結果として、まだ流暢に喋れていませんが、不思議と「話した相手が何を言いたいか」を落ち着いて聞く事ができ、少しだけならジョークに対応できてきました。これはきっと自信が付いて焦りが無くなってきたからだと思います。これだけやったのだからと。

 

2、日本でネイティブの友達を作る。(Output)

上記1からでもこちらからでも構わないと思います。できれば同時に始めるのがいいでしょう。Outputは実戦で鍛えるべきなので、下記を今一度紹介します。

Japan Guide
https://www.japan-guide.com/forum/quereadisplay.html?0+106216
→日本に興味がある外国人が登録しています。ここで知り合ったアメリカ人と8年程文通しています。

Meetup
https://www.meetup.com/ja-JP/
→世界的なコミュニティーサイト。外国人が多く登録しており、様々なジャンルのコミュニティーがあります。趣味があれば参加してみる事をお勧めします。ホスト以外、維持費は無料です。

以上です。

 

最後に

アメリカに来てからと言うもの、ATC Dialogueや日常会話が上手くいかず、数時間超えたあたりから正直フライトが苦痛になってきてしまった時期があります。今も多少苦手意識はあるのですが、現在なんとか持ち直したので気持ちの整理のため記載します。

 

苦痛の理由は「特にATCとの対話が苦手」だから。

操作を改善するのはとても楽しいのです。またインストラクターも趣向を凝らしてテスト外の繊細な操作も教えてくれます。

が、どうにも英語(ATC)が聞き取りづらい。

10時間超えたあたりからSoloに出るための練習をし始めました。ATCとのやりとりはインストラクターももう手助けは最小限となっています。

このままSoloに出てもATCの対話でミスしたらどうしよう…管制官に迷惑かけちゃうし、他の機にも迷惑かけちゃうかもしれない…最悪事故になるかもしれない…

もう不安で一杯です。

丁度その頃病気で心持ちも弱ってしまい、なんだか自分の将来に対する不安が一気に押し寄せ、悲しくなっていました。

本当にパイロットになんてなれるの?大金と人生賭けて、安定した基盤を捨てまで本当についてきて良かったの?35歳で日本に戻って、パイロットになれなかったらどうするの?と。

渡米すると決心した時には整理できていると思っていたのですが、どうにもダメですね。なんでパイロットになりたかったのかさえも、疑問が出てきます。

そんなある日、いつも通り嫁を会社に送り出し、掃除を始めようとしていた時です。ふと音楽が聴きたくなりYouTubeを開いたところ、ANAのAnother skyという曲が「あなたへのおすすめ」で出てきたので、なんの腹もなく聞いてみました。

言葉では言い表しづらいですが、その時に今まで飛行機を介して関わった過去の記憶や、未来の不安と希望が一気に溢れてきて、少しだけベソかいてしまったのは嫁さんには内緒。

直ぐにいつもの勉強机に着いてノートに「なぜパイロットになりたいのか」「今何をすべきか」を描き殴り、自分の決意を明文化しました。抽象的ではなく、より具体的に。

その中の一つが、英語の勉強です。

まずやってみないと不安は生まれない。そして不安は努力でしか取り除けない。

ダメでもともと!

※この後掃除はやりました

 

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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