航空身体検査について
大勢の命を預かっている以上、パイロットには通常の身体検査よりも厳密な特殊検査が待って
「健康である事」とはパイロットになる&なり続けるため必須項目
但し、先天性疾患の様などうしようもない部分(色覚異常)も検査されるため
米国でのトレーニング前に、「第1種航空身体検査(事業用操縦士必須)」に合格できる身体なのか検査を行った。
◎分類
第1種航空身体検査 : 事業用操縦士用
第2種航空身体検査 : 自家用操縦士
※航空身体検査規定の詳細は下記国土交通省のHPにて
受診前準備
5月下旬めの時点
身長 180.6㎝
体重 82㎏
。。。もうね。
小中高大とスポーツ&筋トレで鍛えた体系はもう見る影もない。。
サラリーマンとして飲み会ばかりで、72㎏(ムキムキ)→82㎏
ついでに握力も88㎏→50㎏ で絶賛巨漢&弱体化していた。
これを機に、
①20㎏のダンベル+ワンダーコア(のパチもの)を20分/
②夕ご飯は基本プロテイン(飲み会があるときはハイボール縛り)
③スマートウォッチ&カロリー計算アプリで生活管理
で1.5カ月生活をし
7月中旬の時点
身長 180.8㎝ ←!!
体重 76㎏
体重は無事に落ち、身長が伸びました★
かくして第一種航空身体検査を受けるため
対応可能な医療機関を検索してみた。多々検索ででてくるが、まず証明書までは必要ないため、予備試験という事で対応が可能な「三井メディカルクリニック」
※予約時1ヶ月待ちだったので、余裕を持った予約が必要!
検査内容
★予備検査費用:35000円+TAX(
検査概要
- 眼科的検査(視力測定、眼圧測定、色覚検査、視野検査、深視力検査など)
- 耳鼻科的検査(聴力検査(平衡機能検査は行わず))
- 心電図検査
- 脳波検査(新規申請のみ必要)
- その他(血圧、BMI、呼吸器官等の検査他)←一部行わず
- 採血検査、胸部レントゲン ←別途費用
主に先天的疾患がある(自分の努力で改善できない)部分の重点的検査となる。特に目の検査に時間を要した印象。当方裸眼ではあるが、右目が2.0、左目が0.7(強乱視)と規定ぎりぎりのため、為念左目だけ度付きのメガネを作成して挑んだ。
正直視力が心配であったので、オルソケラトロジーによる矯正(寝ているだけで視力回復!)も考えたのだが、ANA等日系の大手航空会社では禁止されている事が多く、手術は諦めた。※海外だと規定が緩くOKの場合もあり。
検査内容詳細
視力測定
一般でよく使われているランドルト環(Cみたいなの)で視力測定を行う。
遠見視力:各眼が裸眼で0.7以上及び両眼で1.0以上の遠見視力 他
中距離視力:各眼が80cmの視距離で、近見視力表(30cm視力用)により0.2以上の視標を判読できること
近見視力:各眼が30cmから50cmまでの間の任意の視距離で近見視力表(30cm視力用)の0.5以上の視標を判読できること。
両眼視機能
斜視検査(両眼視機能)
近場を見ながら左右の目を交互に隠した際、目が明後日の方向に向かないかの試験。
深視力検査(両眼視機能)
三杆法での検査となる。これは3本の黒く細い棒を並べ、左右の2本を固定した状態で中央の棒が「手前~奥」に往復移動する。そので3本の棒が並行になった時点でスイッチを押し、その誤差を計測する検査である。深視力が正常であるとの判断基準は、5回平均値が20mm以内。
よくYouTubeで練習する人もいるようだが、「深視力」の名の通り立体でないと意味がない。
かといって慣れていないと本当に難しいのも事実。。。出来るようであれば、此方の予備検査で練習するか、メガネ屋にも似たような深視力を図ることができるので一度試してみるのがいいのかも。自作されている人もいるみたい(三杆法のプロかな?)。
より目試験(両眼視機能)※造語
人生で初めてあんなにより目をしたと思うくらい寄せた。より目して「点(例えばペンライトの光)」が2つに見えたところが100mm以下であれば正常として判断される。
視野検査
まず直径約50㎝程度の半円体の中へ顔を入れる。そして半円体の中は目に優しい薄オレンジの様な光で照らされており、真ん中の一点を見つめるように指示される。
その中を上下左右から真ん中に向けて、異なる大きさの光が中心に向かってやってくるので、それが見えた瞬間に手元のスイッチを押すもの。動く光は回数を重ねるごとに徐々に小さくなる。その時、認識できる範囲が徐々に狭くなるので焦らずどうぞ。
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眼圧測定
一般的に使用されている、目に向かって風を「プッシュ」っとする測定。
眼圧22mmHg以上の場合、慎重に検討されるとの事。疲れ目の人は眼圧が上がるようなので、当方はPC仕事終わりにロート製薬のアイストレッチを使用。
眼底検査
一般的に使用されている、目に向かって光を「ピカッ」っとする測定。
色覚検査
石原色覚検査表を用い、原則として初回の航空身体検査時に行うもの。
当方今まで色覚検査で一度も引っかかることなく、とあるアプリでは戦闘機乗りとも言われていたので余裕綽々と受けた。…のだが。。。途中まったく認識できないページが出てきた。本当に焦った(*_*)
※後から判明したのだが、見えない(見えてはいけない)ものもあるとの事。
「見えないなんてありえない!」と頑張って見ていたところ、なんとなくぼやっと見えた気がした数字を伝えたところ、先生が( ・´ー・`)的な顔をされていた。見事見えてはいけない数字を1/99の確率で言い当てたみたい。
そこで次に通常では体験できない「パネルD-15検査」を受けることができた。
これは色が「冷淡色→暖色」になるように並べ替えを行う試験となる。意外に難しい。。検査を受けられる方は「見えない数字もある」と念頭に置いていただいた方がいいかもしれない。
耳鼻科的検査(聴力検査(平衡機能検査は行わず))
今回は聴力検査のみ。一般的な聴力検査とさして変わらない印象。
※平衡機能検査は行わなかったので別途記載。
心電図検査
一般の心電図検査と同じ要領にて検査。
脳波検査(新規申請のみ必要)
意識障害やてんかん等の発作が起きないか等、精神並びに神経系に異常がないかの検査。頭に電極を付けられ、横になってからスタート。
安静→目を開ける→安静→目を瞑ったままフラッシュ→安静→順不同で以後繰り返し…
何度も「寝ないでください!!」って怒られたいい思ひ出(´_ゝ`)
以上
上記が今回検査頂いた内容となる。
その他検査
前述以外にも下記のような検査もあるとの事。
平均機能検査
歩行検査
眼を閉じて6mの距離を前進し、左右の偏りが1m以内に収める必要がある。
足踏み検査
その場で目をつぶり、腕を前にだした状態で50回足踏みをする。90度以上の回転、開始場所から1m以上の移動の場合は不適合。
起立検査
両足直立検査
両足をくっつけ、開眼、閉眼状態で各々30秒間動揺がすくないこと。
片足直立検査
片足を水平位置まで揚げ、開眼、閉眼状態で各々30秒間耐える。
開眼時に動揺や接床を示す場合、又は閉眼時中等度以上の動揺、若しくは30秒間に3回以上の接床を示す場合は不適合。
マンテスト
両脚を前後進捗方向におき、1側の脚の足先を他側の脚の踵に接して起立させ、両脚を伸ばし正面視させる。この姿勢でまず開眼で検査し、次いで遮眼して30秒間観察する。※前後の足を交替して同様の検査を行う。 開眼時及び閉眼時ともに、著明な動揺又は転倒が無いことが条件。
遮眼書字検査
正しい姿勢で椅子にかけ(躯のいかなる部分もよりかかったり、触れてはならない。)、鉛筆にて開眼のまま文字を3cmないし5cm平方の大きさで縦書きさせる。次に、遮眼し、開眼時と同じ文字を書く。 左右10゜以上の偏書が毎回認められる場合、もしくは各文字に著しい不均整が認められる場合は不適合。
等
事前に対策(練習)をすればクリアできる項目もあるため、是非お試しあれ。